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おれんじキッズでは、正社員・パートさんを募集しています。

おれんじキッズの始まり

私たちがおれんじキッズを始めた当時、子どもの支援方法としてある特定の方法が主流でした。支援者からも保護者からも、その方法はすばらしいと。でもそれがものすごく違和感でした。会話ができる子できない子、相手の言う事が理解できる子できない子、嫌な事も苦手な事も、子どもは一人ひとり違うのに、なぜこの子にとって何が一番いいのか、何が一番必要なのかと考えないんだろうという疑問と違和感です。コトやモノから考えるか、人から考えるかという“考え方の順番”です。 確かにその支援プログラムはすばらしいものだと思います。ただ、ある一つのものが全ての子どもたちに有効だという、そんな魔法の特効薬はないはずです。それさえやっていれば全ての事が成長できるって本当にそうでしょうか。「発達障害」という言葉ですべてをくくり、「ならこれをやればいい」という考え方はやめよう、そんな思いから生まれたのが、今のおれんじキッズです。

結果、TEACCH、ABA、PECS、感覚統合、行動療法、作業療法、言語療法などなど、今では様々な理論やプログラムを使って支援を行っています。というと何だか偉そうですが、この子にはこれが必要ではないか、この子には…とやっているうちに色んなプログラムがだんだん増えたというのが実際のところです。ただ大事なことは、「プログラムがある」ということではなく、その理論やスキルを習得したスタッフが、目の前の子どもに対してきちんと確実に“実践されるか”です。「知識はすごいけど、子どもの扱いは苦手」「子どもは好きだけど理論は知らない」などよく聞く話です。理論を確実に理解し、こどもに対して実践できる、その知識とスキルの習得は、日々職場で先輩から教わったり、たまに開催される研修会に参加するだけで習得できるような、そんな簡単なものではありません。一つの理論を一から学び、全体を理解し、更に実践できるまでには膨大な時間を要します。それは私たちにはとても難しいことでした。

子ども一人ひとりに合わせた支援のために

子ども一人ひとり異なるプログラムを計画し、実践し、記録し、検証し、また計画を行う。保護者の相談、関係機関との連携、季節の楽しいイベント、集団活動、余暇活動、様々な制作物、食事介助、トイレ介助、毎日の送迎表の作成と実際の送迎業務、社内会議や研修、事業所全体の準備、清掃、事業所および会社としての書類仕事、関係業務などなど。さらにおれんじキッズは多機能事業で、営業時間の最初から最後までお子様が所在しているので、これら毎日の仕事に加えて勉強時間を確保することは本当に難しい事でした。

そこで、基準人員を大幅に超えるスタッフを置き、、支援の質と量を確保しながらその分を勉強に充て、また東京、名古屋、大阪、福岡などなど全国に研修に行き、逆に東京からも海外からも講師を招いて学びました。もちろんその人件費、資格取得の費用、教材費、旅費など全て会社で負担します。それは膨大なコストです。まわりの経営者からも「よくそこまでやるね」と褒めていただきましたが、通常の営業から捻出できる金額ではありません。本当に目一杯、限界以上にコストをかけました。全ては一人ひとりに合わせた支援のために。当然ですが、スタッフみんなが、それだけ勉強するために努力したということは言うまでもありません。みんな必死でした。

事業所運営の考え方

私たちが行う事業は、1日の利用人数も利用料金も、国が定めたルールで決まっています。 売れば売るほど収入が上がるというような商売ではありません。サラリーマンのご家庭と同じ、 毎月決まった財布の中で色々やりくりをしながら経営することが必要です。僕自身も資産家ではなく、サラリーマン家庭で育った、宝くじが当たることを願うただの一般社会人です。使えるお金は限られています。一方、保護者の皆さんのニーズは多岐にわたります。「子どもに自立してほしい」「成長してほしい」というお子様に関するニーズもあれば、「長時間預かってほしい」「休みの日も預かってほしい」「送迎してほしい」というご家庭の事情など本当に様々です。ですが、先述のとおり、何かを行えば何かを我慢しなければなりません。すべてのニーズに応えることができていないのが現状です。長い時間の営業や土日の営業はできていませんし、送迎も完璧ではありません。それについて保護者の方から過去にご批判の声をいただいたこともあります。またそうした会社の考え方や運営に関して社員からも批判が起こり何人かが退職したこともあります。
おれんじキッズでは、長い時間預かり、楽しく過ごしてもらうためにお世話をして、送迎をするのが放デイだ、というような考え方はしていません。もちろんそんな国のルールもありません。 親支援も大事ですが、お母さんの手間を肩代わりすることが親支援だという考え方ではなく、お母さんの「なぜかがわからない」「どうしたらいいかわからない」に必死に答えを出していくことを優先しています。ご存じの方もおられると思いますが、親御さんの休息のために「日中一時支援」という事業が、児童発達支援や放課後デイとは別に用意されています。全国にはこの日中一時支援だけの事業所があります。放課後デイはされないのですか?と聞いたことがありますが、「うちは親御さんの休息のための事業所です。なのでなるべく長い時間お預かりして、とにかく楽しい時間を過ごしてもらうようにしています。だから放課後デイにはしません。」とのお答えでした。とても正しいと僕は納得でした。 誤解があってはいけないのですが、何かの考えが正しくて、何かの考えが間違っているという事ではありません。一人ひとり色んな事情や環境があるので、色々な考え方や色々な事業所があって当然だし、全て正しいと思います。ただただ、全ては出来ないので何かを優先せざるを得ないということです。「色んなものに手を出して全てが中途半端」とか「なんでもやりますと言って、結果何にもできない」なんてことにはなりたくないという思いです。

おれんじキッズの支援が目指すもの

私たちが目の前のお子様と過ごす時間は限られていますが、お母さんは30年、40年、それ以上の長い時間をお子様と一緒に暮らしていきます。その長い時間がお互いに少しでも楽しいものになるように、思い出が沢山つくれるように、お子様の成長を精一杯サポートしよう、お母さんの「なぜなんだろう」「どうしたらいいんだろう」という悩みを少しでも解決しようという考えです。特に幼児期・学童期における療育の有効性・重要性については説明のいらないところだと思います。人から認められること、大好きな人と少しでも永く一緒に時間が過ごせることはかけがいのないものです。弊社のスタッフには障害のあるお子様の母が何人かいますが、想いはみんな同じです。 例えば子どもに対する理解一つとっても、「私はこう思う」「私はこうだ」と話し合うことはいいことですが、できる限り個人の感想や主観を取り除き、客観的かつ科学的根拠をもって判断されないと、個人の知識や経験はスタッフみんな違うので、“見る人が違ったらその都度違う”みたいなことが起こります。“見る人が変わるとその子が変わる”のはおかしいですよね。誰が見ようが、その子はその子なのだから。 寄り添う…よく使われる言葉です。常に声をかけ、話しかけ、ずっと側にいる。でもそれは、その子にとって実はとても迷惑で、やめて欲しい行為だということもあります。その子は嫌な顔もできないし「やめて」も言えない子なのです。寄り添うとは、側にいることでも付き添うことでもなく、こどもに対する“理解”だと思います。「自分がしてもらったら嬉しいので、この子にもしてあげる」よく聞く話ですが、自分が望むことと相手が望むことが同じだとは限りません。 だからこそ私たちは、学びと経験を積み重ねなければなりません。もちろんスタッフみんな本当によく勉強していますが、知識やスキルにゴールはないので終わりがありません。 でもみんなで流した汗が、子ども達の成長のサポートに、また保護者の方からの相談のお役に立つことに、全て帰結すると考えています。

代表メッセージ

長文におつきあいいただき、ありがとうございました。これが私たちおれんじキッズの歴史と現状です。偉そうなことを長々書きましたが、私たちはまだまだ未熟で、道半ばです。私たちも子ども達と一緒に、一日一日成長していきたいと思っています。そんなおれんじキッズで、子ども達の成長のため、保護者の方の悩みの解決のために働きたい、勉強したいと思われる方がおられましたら、ぜひおれんじキッズの門をたたいてください。お待ちしております。

一般社団法人ともに進む舎
おれんじキッズ理事長

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